今回は、受け取る場合の理由とその期間についてです。
小規模企業共済の積み立てた掛金を受け取る場合は、その理由によって4種類の区分に分けられます。
1.共済金A・・・・事業を廃止したとき
・契約者の方が亡くなられたとき
・法人が解散したとき
2.共済金B・・・・契約者の方の年齢が満65歳以上であり、掛金を15年以上払い込んでいるとき
・病気や怪我で役員を退任したとき(契約者が死亡した場合も含みます)
3.準共済金・・・・配偶者・子に事業の全部を譲渡した場合
・個人事業を現物出資によって法人化して、その法人(会社など)の役員にならなかった場合
・法人の解散、病気や怪我以外の理由で役員を退任したとき
4.解約手当金・・・・任意解約
・掛金を12ヶ月以上滞納した場合
・個人事業を現物出資によって法人化して、その法人(会社など)の役員になった場合
※法人化した法人(会社など)が小規模企業者でない場合は、準共済金となります。
〇区分ごとに受け取る金額の差は・・・・
この制度に加入する目的からいえば、上記1~3の場合がその趣旨にあったものと言えるでしょう。
そして、基本的には1⇒2⇒3の順で、受け取る金額が多い場合になります。
例えば 掛金1万円を月々払い込んでいった場合
掛金払込期間 / 払込合計金額 / 共済金A / 共済金B / 準共済金
5年 600,000円 621,400円 614,600円 600,000円
10年 1,200,000円 1,290,600円 1,260,800円 1,200,000円
15年 1,800,000円 2,011,000円 1,940,400円 1,800,000円
20年 2,400,000円 2,786,400円 2,658,800円 2,419,500円
また、上記の例でもお分かりのように、払込期間が長いほど受け取る額は多くなります。
(※ご注意!・・・ 払込期間が6ヶ月未満の場合には、共済金A及び共済金Bは受け取ることができません。
また、払込期間が1年未満の場合は、準共済金及び解約手当金も受け取ることができません。
つまり、払い損になってしまいます。)
最も避けたいのが4.解約手当金の場合です。
なぜなら、この場合は20年以上掛けなければ積み立てた掛金合計を上回る金額を受け取ることができません!
さらに、受け取った金額の税法上では「一時所得」という取り扱いになってしまい(詳細は省きます)、
税金を計算する上で、他の場合よりも不利な取り扱いになります。
(ただし、65歳以上の方が任意解約をする場合には「退職所得」扱いになります。)
主な注意点を挙げてみましたが、やはり「いかに続けていくか」ということが
この制度の上手な利用方法ではないでしょうか。
(平成23年からいくつか変更点がありますので、その点もご注意を・・・
・・・参照:http://www.smrj.go.jp/skyosai/announce/053686.html)