さて今回は、接待などの飲食費についてその支出額の全額を
損金として処理することができるものをお伝えしたいと思います。
これは、資本金額などの大中小法人の区分に関係なく規定されています。
ただし、交際費として支出した全ての飲食費がすべて損金として処理できる訳ではなく
下記の要件全てに該当するものが対象となります。
1.取引先などの社外の人間との飲食費であること
注意点
・自社の役員や従業員又はこれらの親族の接待のための支出は対象外!
2.一人当たり¥5,000以下の飲食費であること
注意点
・その支出額を参加人数で割った金額が一人当たり¥5,000以下であること
(もし¥1でも超えれば、その支出額の全額が対象外! ¥5,000を超えた金額部分ではない!)
・手土産などをのぞいた金額で判断できます。
・税込金額?又は税抜金額?
会社の経理方法が、税込経理であれば税込金額にて、税抜経理であれば税抜金額で判断!
・一次会、二次会など連続して行った場合は、それぞれの場所の支出額により判断できます。
3.証拠となる書類を残すこと
注意点
・領収書だけではダメ!
以下の内容を記載した書類の保存が必要
・飲食等のあった日
・参加した取引先や仕入先等事業関係者の氏名及び名称とその関係
・参加人数
・その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地
・その他の参考事項
かなり細かい要件となっていますね。
肝心なのは、こういった支出があった際は、その都度確認をすることです。
「後でまとめて」などと考えていると、参加者の名前や人数など細かな点が不明確になる可能性があります。
・・・だからといって、正確でない記載をしてしまえば「事実の仮装や隠蔽」として重加算税の対象となることも
あります(重加算税だけでなく、延滞税も課されます・・・延滞税って結構恐いですよ!)
また、会計帳簿や会計ソフトに、その他の交際費(支出額の一部又は全額が損金にならず処理されるもの)と
区別して記帳しておいた方が良いでしょう。
その区別が無ければ、決算の時に1年分の資料を洗いなおすか
最悪の場合は、交際費の中でどれが全額損金として処理できるものか分からなくなってしまいます。
そのためにも、別の分かりやすい科目にて記帳したり
又はマーカーや文字の色を変える、会計ソフトの入力設定を変えるなど
あらかじめ経理担当者や顧問税理士と処理方法を決めておいた方がいいでしょう。
確かに記録をその都度残すことは手間がかかり、事務負担が増えます。
ただ、接待の多い企業にとって効果は大きいのではないでしょうか?